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ブラックボックスの中で手に入れたもの [Thoughts]

泳げないのに海に放り込まれて、なんとか浮き上がろうともがく。どうやるのが正解かなんてわかるはずもなく、ただ浮上しなければならないという意思=本能だけははっきりとあって、そのためにじたばたする。

結果的に、どうやったのかはわからないけどとにかく水面に浮上し、材木にでも掴まってなんとか命拾いをする。そしてまたあるとき海に放り込まれる。

そんなことを何回も繰り返し、ふと気がつくと泳げるようになっている。あるいは、水に浮かべるくらいにはなっている。最悪、投げ込まれる前にロープの在処を素早く確認できるくらいには。

人はそれを「経験を積んだ」「スキルを身につけた」と言うかもしれない。あるいは「強くなった」「タフになった」と言うかもしれない。

でもそういう言葉で表現できるものではないことを、自分だけは知っている。

海に投げ込まれなければ存在しなかったはずの何かを手に入れたとしても、海が何かを与えてくれたわけではない。放り込まれてじたばたする方にだって、何かを手に入れようという意思があるわけではない。どのようにしてそれを手に入れたのか、説明することなんてできない。それはブラックボックスなのだ。

ブラックボックスの中で手に入れたものに名前をつけることは誰にもできない。誰も言葉にはできない。

ただそれが存在していることだけがわかる。
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