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深さと暗さと便利と効率 [アウトライナー]

昔、職場の同僚や仕事仲間にアウトライナーの普及を試みたことがある。若かったから。

書いたことを後からいくらでも組み替えられるんだ(すばらしいでしょ?)。

そう説明すると、多くの場合「なぜわざわざ組み替える必要があるのか」という疑問が返ってくる。

「組み替えるくらいなら最初からそのように書けばいいではないか。自分は事前にきちんと考えて下書きをするから、後から組み替えることなど不要だと非効率だ」と。

そう言われてしまえば、それ以上何も言うことはできない。そして、彼らは何も間違ってなどいない。



「事前にきちんと考える」こと。それは今立っている場所から見える風景だ。その地平線の向こう側にある深淵の深さと暗さは、覗いてみた人にしかわからない、と言ってみたりはしない。

それが一般的な意味で「便利」だったり「効率的」だったりすることを保証できないし、軽い気持ちで覗いた淵の深さと暗さが求められているとは限らないのだから。



でも、今いる場所からは見えない深さと暗さの中にこそ可能性があり、発見があり、自覚がある。そして想像できる「便利」や「効率」から得られるのとは成り立ちの違う喜びや楽しみや快楽がある。

何よりも、その深さと暗さを求めることを通じて、少し違った形の「便利」や「効率」が与えられるのだということを、わたしたちは知っている。



これはたぶん、アウトライナーに限った話じゃないんじゃないかと最近思っている。

なんとなく。

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