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「空気」と「世間」 [Thoughts]

鴻上尚史「『空気』と『世間』」 (講談社現代新書)

集団との関係に違和感を感じている、あるいは苦しんでいる、すべての人に読んで欲しい本。前の記事にコメントをくれた方に読むようすすめられ、翌日職場のそばの本屋で購入しました。

ぼくはもともと鴻上氏のファンで、この本も実は去年図書館で借りて読んでいたんですが、そのときには強く共感しつつもどこか腑に落ちない感覚が残りました。

今回じっくり読んでみて、やっぱり同じような感覚は残ってるんですが、それでもすばらしい本です。

なんといってもとても真摯に書かれていること。そして分析に終始せず、具体的に「じゃあ、どうすればいいか」ということ(の入り口)にまで踏み込んでいるところ。

どこが「腑に落ちない」かは、個人的な事情にも関わるので、また改めて書きます。

より現実的で実践的な「浮く技術」 [Thoughts]

1. 自分のようなものでも、ある集団の一員で本当によかったと思うことがあって、また集団に対して愛情さえも感じることがある。

2. あるいは自分のようなものでも、集団に対して深く失望したり幻滅したりすることがある。

3. これだけ集団に期待を持っていないつもりなのに、不思議だ。

4. それはつまり、集団の外側に立って生きることなど不可能なのかという疑問につながることでもあり、そしてそれは(もちろん)不可能なのだけど、でもそこには何か方法があるはずで、というよりも方法がなければおかしい。

5. この種の課題は普通は若いときに抱えるものだとあなたが言うなら、あなたの目は節穴だ。

6. 大人にこそそれは必要だし、その必要性は今までにないくらい高まっている。

7. 80年代に試みられた方法、たとえば鴻上尚史や高橋いさをなどが提示した方法とはまた違う、より現実的で実践的な方法が必要な気がする。

8. もしかしたらそれは「正しく浮く技術」と言い換えてもいい、かもしれない。

9. 「風を感じる」ことも、たぶんそのごく一部だ。

言語の壁を超える [Diary]

公園で、猫の要求に従ってサンドイッチをちぎってあげてる外国人をみていて思ったことは、猫は軽々と言語の壁を超えている、ということです。

「当たり前にゃ★」
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1953年のハイスクール恋愛相談 [Diary]

昨日書いた「Farm Journal」の女子高校生向け相談コーナーの内容を紹介します。1953年のアメリカの裕福な白人の農家の高校生くらいの娘たちの相談ごとです。回答がけっこう豪快で面白い。

この時代のアメリカの高校生の恋愛というのはなかなかイメージしにくいですが、「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Part1)」でマーティがタイムスリップする時代が1955年の設定なんで、ほぼあのイメージだと思います。

ヘアスタイル
ポリーへ:
私の顎はとがっています。どんな髪型にしたらいいでしょう?
(ノースカロライナ州、エヴェリンより)

回答:
もちろん顎を隠すということはできませんよね。でも、両サイドに髪をおろして、耳の下でふわっとカールさせれば、目立たなくすることはできますよ。

ホスト役をつとめる彼とのトラブル
ポリーへ:
ボーイフレンドのジャックの家族が、一ヶ月ほど友人家族を招くことにしています。彼らは学校を卒業した娘さんたちを連れてくることになっていて、ジャックの両親は彼がその娘さんとデートすることを望んでいます。友人家族たちが帰るまでの間、私たちは別れるべきなのでしょうか?
(オクラホマ州、アンより)

回答:
彼がお客さんの相手をする間別れるよりも、ホストを務める彼を助けてはどうでしょう? 彼はたぶん、その娘さんと二人きりでどこかに出かけるでしょうが、ときには三人で出かけるのです。あるいは、女同士で時間を過ごすことを、その娘さんが望むことだってあるかもしれません。さらに、近所の別の男の子がいれば、ときにはダブルデートに持ち込むことだってできるかもしれません。

ステディはちょっと
ポリーへ:
何度かデートしてた男の子が、私とステディになったって友だちに言いふらし始めて、他の男の子たちが私をデートに誘ってくれなくなってしまいました。私、今のところ誰ともステディな関係にはなりたくないんです。どうしたらいいでょう?
(サウスダコタ州、ディーより)

回答:
まず彼に話して、噂が広まるのを止めるべきでしょう。彼にあなたの考えが違うことを伝え、友だちならいいけど、ステディにはなりたくないとはっきり言うのです。そして、意識的に他の男の子といるところを人に見せるようにしましょう。もし、女の子から男の子を誘う形式のパーティでもあれば、それがチャンスです。あるいは、他の街に住んでる友だちとか従兄弟でもあれば、その人に頼んでいっしょに歩いてもらうのもいいかもしれません。学校の友だちが、あなたが知らない男の子といっしょにいるところを目にしたら、例のステディ話なんてすぐに消し飛んでしまうでしょう。

パースを持つべき?
ポリーへ:
私の周りの女の子たちの中には、デートのときパースを持つ子なんて一人もいません。でも、口紅とかそんないろんなものを入れておくものが欲しいんです。でもパースなんか持ってたら、男の子たちにドレスアップしすぎてると思われないでしょうか?
(ニューハンプシャー州、ベティより)

回答:
もしパースを持ちたければ、持てばいいのです。あちこちのポケットにいろんなものがごちゃごちゃに入ってるよりも、きちんと一か所にまとまっている方がどれだけ便利か目にすれば、他の子たちも真似するようになるでしょう。スーツケースを持って歩くわけじゃないんだから!

彼に車を貸してもいい?
ポリーへ:
私たちのクラブでパーティをやることになったんですけど、私は田舎に住んでいて、いっしょにパーティに行くことになってる男の子は車を持っていません。うちの家の車を彼に使ってもらっても大丈夫でしょうか?
(ミネソタ州、ジェニーより)

回答:
あなた自身が運転して彼を拾って、また家まで送り届けるのでなければうまくいかないような気がします。役割交換型のパーティなら、それでも別に問題ありません。さもなければ彼に頼んで、誰か車を持ってる男の子とのダブルデートにするのが簡単かもしれません。あるいは、あなたの友だちと先に街に入っていて、彼といっしょに歩いてパーティに行くのもいいでしょう。

合意できないチアリーダー
ポリーへ:
私たち女の子4人が、今年のチアリーダーに選ばれたんですけど、ユニフォームの好みが合いません。別々のユニフォームを着ても大丈夫でしょうか?
(テキサス州、イヴァより)

回答:
服装は統一するべきです。ユニフォームについてさえ意見が合わないとしたら、前途は多難です。みんなで協力しあっていけるようにならなければなりません。プレイヤーと同様に、チアリーダーにとってもチームワークは重要です。アドバイザーにユニフォーム問題を相談してみるといいかもしれません。そして、どれがいいか彼女に決めてもらうのです。そして、彼女の判断に従うことにみんなで決めましょう。

彼と会う夜
ポリーへ:
ここのところ、私のボーイフレンドが、ほとんど毎晩家に遊びに来ます。でも、9月に学校が始まったら、彼が来ていいのは土曜日の夜だけってお母さんが言うんです。これって正しいことでしょうか?
(ペンシルヴェニア州、ジーンより)

回答:
ジェーン、賭けてもいいですが、学校が始まれば、いろんな活動や宿題で忙しくて、毎晩ボーイフレンドと会う時間なんかなくなってしまうでしょう。でも、あなたが自分のやるべきことをまず第一にやることにして、まず宿題を済ませるようにしていたら、時には平日に彼と会うことをお母さんも許してくれるかもしれませんよ。
タグ:翻訳

裕福な白人の農家のための総合誌 [Diary]

元町のH&H Tradingで、1950年代のアメリカの「Farm Journal」という雑誌が売られてるのを見つけて、あまりにも面白いので購入(1890円)。1953年9月号と書いてあるから、昭和28年。つまり朝鮮戦争の停戦直後、大統領はドワイド・アイゼンハワー(ケネディの一代前)の時代。

「農業を営む家族に欠かせない雑誌」というキャッチコピーの通り、ビジネスとしての農業についての記事、農家の婦人向け記事、そして高校生くらいの子供のための記事まで、本当に家族全員のための記事が載っている、文字通りの「農家のための総合誌」みたいなものです。

眺めていると、その時代のアメリカが、いかに圧倒的に豊かだったかがよくわかります。料理コーナーはカラーで「もっと特別な野菜料理のバリエーション」。家事関係の記事では「重曹を掃除や食器洗いに活かす」。

広告には冷蔵庫とか洗濯機とか乾燥機とかがやたらと多くて、今の日本でいうシステムキッチンみたいなものもある。日本でいえば、ほくが生まれた昭和40年代半ばでも、日本の一般家庭はとてもこの水準まではいってなかったと思う(というか、今でもいってないな)。

もう一方で気づくのは、雑誌の最初から最後まで、満載されている写真の中に、ただのひとりの黒人も写っていないこと。もちろん東洋人もヒスパニックも写っていない。まるでアメリカという国には、白人しか存在していないように見えます。

だからこの雑誌が対象としている「Farm Family=農家」というのは、つまり「大規模な農業を営む、裕福な白人の農家」のことなんですね。

公民権運動が本格的に始まるのは、この数年後のことです。だからこの雑誌を買った(おそらくは)白人の裕福な農家は、バスの白人専用席に座り、白人専用のレストランで食事をしていたのかもしれない。

Farm Journal表紙
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景品に洗濯機と乾燥機と自転車。
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レシピコーナー。スペシャルな野菜料理。
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本屋の空気 [Diary]

静岡某所に日帰り出張。

職場に戻らず直帰することにしたので、新横浜で降りたら、キュービックプラザの三省堂書店に吸い込まれる。

ちょっとのつもりが、閉店近くまで30分くらいうろうろして、絵本から軍事本までまんべんなくブラウズする。

ここはそんなに好みの本がたくさんあるわけじゃないんだけど(場所がらビジネスより)BGMが静かで、全体的に空気がよくて居心地がいい。

普段どんなに忙しくても、こんなふうにちょっと「本屋の空気」を吸えれば充電できるんだけど、残念ながら旭屋書店亡き後、職場のそばにまともな本屋がない。

ランダムノート0214 [Diary]

今年はじめての実家。

ミッシェル・ショーダンのパヴェ(Tomo.さん→Tak.父バレンタイン)、
サイモン・ラトル&BPO「ブラームス交響曲全集」(Tak.→Tak.母誕生日)、
ラ・マーレ・ド・チャヤ「りんごのシブスト」(お土産)。

実家の不思議な何かに打たれて二人とも放電してしまい、スタバ日本大通店と横浜ルミネ有隣堂で充電する。

完成に近づく例の高層ビル
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実家のそばで会った猫に苦言を呈される。
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昭和っぽい実家のテーブル。
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内側の人と外側の人 [Thoughts]

私見。
人間は二つのタイプに分けられる。

A. 集団の内側に立つ人
B. 集団の外側に立つ人

AとBはあまりにも異なるので、両者の間の接点を見いだすことは困難。でも問題は両者が異なることそのものではなくて、両者が異なることを意識しているのがBだけだということだ。少なくともそんなふうに思える。

ギャグにみるAとBの見分け方。

例1)
クラスに転校生がやってきたとき
クラスメートを笑わそうとするのがA
転校生を笑わそうとするのがB

例2)
日本人の仲間といるところに外国人がやってきたとき
仲間を笑わそうとするのがA
外国人を笑わそうとするのがB

個人的にはBの人により共感する。

今テレビに出ている〈芸人〉と呼ばれる人たちの多くが個人的に受けつけないのは、彼らのギャグのほとんどがAの性質しか持ってないように思えるからだ。
タグ:ギャグ 集団

もう一度言いますが [Diary]

「大人は寂しくてもがまんしなければならない。」

報われること [Diary]

例のデスマーチ状態になっていたプロジェクトの仕事が、クライアントの社長から絶賛された。

「どんなに必死に働いても誰からも感謝されない」という理由で会社を辞めていった人も一人ではないなかで、こんなことはたぶん、異例中の異例だ。

だから厳密にいえば(実はまだまだ終わったわけではないんだけど)もうデスマーチとはいえない。デスマーチとは「長時間の残業や徹夜・休日出勤の常態化といったプロジェクトメンバーに極端な負荷を強い、しかも成功の可能性が低いプロジェクト」(ウィキペディア)だから。

もちろん彼らは喜んでいたけど、その話を聞いてぼくがこっそりトイレで泣いてきたのは、ヒミツ。そして彼らにひっぱられて、自分がやっていた仕事まで実は一段階レベルアップしていたのも、ヒミツ。

だからといって、こういう仕事のあり方が(労働のあり方として)許されるべきだとは思わないんだけど。