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第二の故郷 [Diary]

明け方に目が覚めてしまったので、サンフランシスコの昔住んでいたあたりをストリートビューで探索していた。

ストリートビューで見るかぎり、住んでいた家は昔のままそこにある。外壁が白から黄色に塗り替えられてガレージのシャッターが手動式から自動式に変わっているだけ。ただし家の前の芝生だった前庭は土の花壇みたいなものに変わっている。

街は全体的に昔よりもちょっと荒れた印象だけど、三十年以上たっているにしては、びっくりするほど変わっていない(変わっていないから、逆に荒れた感じが目立つとも言える)。

サンフランシスコはアメリカの都市にしては例外的に公共交通機関が発達していて、当時も今もだいたいクルマなしで生活できる。

うちから一ブロック下った角にはバス停があって、一本でダウンタウンまで行ける。マーケット・ストリートでBARTに乗り換えれば、オークランドやバークレーにだってすぐ行ける。

でもバスにもBARTにもひとりで乗ったことはない。治安の比較的良かったサンフランシスコであっても、さすがに小学生がひとりでバスや電車に乗ってあちこち動き回るのは厳しかった。

かわりに自転車では行けるところまで行った。だから近所の細かい道は、父よりも母よりもよく知っている。

家を出て角を曲がり、坂道をずーっと下っていくと通っていた小学校がある。これもいくつか建物は増えてるけど、昔のまま。

そのままさら下り、木のたくさんあるサンセット・ブルバードを渡ると
数ヶ月だけ通っていた中学校(っていうのかな?)。ここは週に一回の日本語学校の場所でもあった。

中学校の隣には小さな図書館。ぼくの図書館愛が始まった場所だけど、これは最近建て替えたみたいで面影は残っていない。

図書館から少し行けば、そこはもう海岸だ。太平洋。

海を右に見ながらグレート・ハイウェイ沿いを(もちろん歩道を)走ると路面電車(今のミュニ・メトロ。当時は末期のPCCカーが走っていたけど、今はイタリア製のかっこいいLRVが走っている)の終点。ここで折り返していく電車をずーっと眺めているのが好きだった。

時間があればさらに海岸沿いを進めば動物園、さらにマーセド湖もあるけど、そこまで行くとちょっと冒険した気分になれる(今あらためてストリートビューで見るとせいぜい数キロなんだけどね)。

このあたりで家に帰ろうと思うけど、どのルートでも帰りはずーっと登り。それも並大抵でない登り。コドモだから帰りのことを考えずどこまでも行ってしまうのね。

夕方、陽も傾いてきて(日本から見ると太平洋は朝日が昇る海だけど、アメリカ西海岸から見ると夕日が沈む海だ)、海岸沿いの道から坂を見上げて「はあ・・」とため息をつく心細い感じをありありと思い出した。

今はストリートビューだから大変じゃないんだけど。

母のフォード、あるいは恐怖の相対性 [Diary]

母が「もう運転することもないから」と免許証を自主返納した。

結局アメリカに住んでいた数年間をのぞき、母は一度も車を運転することはなかった。「日本の道路は怖いから」。

そもそもアメリカ生活で必要に迫られるまで、自分が運転することなんて想像もしなかっただろう。免許だってアメリカで取ったのだ。

でも、身長147cmの母がアメリカで乗ることになったのは、でっかいフォード・グラナダだった(父が乗っていた車のお下がりだったから、選択の余地がなかった)。

グラナダのシートを限界まで前に動かし(それでもよくアクセルに足が届いたと思う)、ハンドルの隙間から前をのぞき込むようにしながら、買い物に行ったりぼくを歯医者に連れて行ったりした。

日本の道路が怖いという母は、サンフランシスコのハンパない下り坂をDレンジで爆走することは平気だった。車間二メートルでバスの後ろをついて走ることも平気だった。対向車のライトがまぶしいと言って夜間にサングラスをかけることも平気だった。

で、何が言いたいかというと、つまり怖さは相対的なものだということね。

レオ・バボータ「生活を編集する Part2:部屋」 [レオ・バボータ関連]

レオ・バボータ「生活を編集する Part2:部屋」を公開。初期Zen Habbitsより「Edit Your Life, Part 2: Your Rooms」の日本語訳です。
家中の部屋という部屋が、雑多なモノで散らかっていないだろうか。散らかっていると気が散るし、ストレスの元にもなる——目に入るものには意識が向くし、どんな短い時間であろうと、そして無意識であろうと、この小さな雑音は積み重なっていく。散らかった中で、心の平和と集中力を維持することは難しい。何かを探したりメンテナンスしたり掃除したりするための時間と労力もそこに加わる。散らかっているほど、必要なエネルギーも増していく。

そこで週に一部屋ずつ、家中の全ての部屋を編集することをお勧めしたい。家全体がすっきりと片付き、心に平穏と静けさをもたらしてくれる場所になるまで編集を続けるのだ。
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デイブ・ワイナー「ミーティングでアウトライナーを使う」 [アウトライナー]

デイブ・ワイナーによる、ミーティングや会議でのアウトライナーの活用法。ぼく自身もついこの間同じようなことを書いたけど、これはアウトライナーのもっとも効果的な使い方のひとつなので、試してみてください。原文はOutlining a meeting



ライブブロギングにアウトライナーが使えないか、いろいろと実験している。

今のところ、アウトライナーがライブブロギングに大きなプラスになるとは言えないようだ。しかし、グループで使ったときに、アウトライナーが大きな効果をもたらすことを確信している分野がある。私たち自身がそうしてきたからだ——それはミーティングだ。

誰かとの共同プロジェクトのアウトラインを作成していて、肩越しにその人がのぞき込んでいる状態で試してみるといい。たとえば、夫婦で家を買おうとしているとしよう。まず、その家に欲しいもの、欲しくないものを全て書き出す。書き出すにつれて、相手の方も意見を出す。あなたはそれをアウトラインに加える。

いったん立ち止まってグルーピングする。

今度は住んでみたい街を書き出す。

予算も書き出す。

ベッドルームはいくつ欲しいか。庭はあった方がいいか。景色は。学校は。公共交通機関は。それも書き出す。

あちこち飛び回ろう。あるカテゴリーを検討しているとき、パートナーが他のカテゴリーについてアイデアを出しても、そのまま書き込めばいい。思考の流れを阻害しないことに意味があるのだ。

すぐに、他の問題を検討するときにもアウトラインを使うようになるだろう。二人の共同空間のようなものだ。誰がキーボードを叩いているか、誰がマウスを握っているかは問題ではない。アイデアは両者から生まれるのだ。

もっと大人数の場面でも、プロジェクターを使えば同じ方法が使える。

ずっと混乱していたプロジェクトが、魔法のように整理されてくるかもしれない。

最初からアウトラインを使おうと構える必要はない。単にプロジェクターに映しておけばいい。タイプしていくにつれて、一人か二人が目をやるようになるかもしれない。そして誰かが「この項目をあのカテゴリーの下に入れよう」と言う。彼らは言葉でうまく説明できないので、立ち上がって指さすだろう。その通りに項目を動かそう。これで、彼らは投影されたアウトラインを指でコントロールしていることになる。

ときには、テクノロジーよりも人と人の間のコミュニケーションの方が重要だ。

このプロセスは25年前から可能だった。なぜ知っているかというと、私たち自身がそうしていたからだ。

試してみてほしい。

デイブ・ワイナー「Fargoにようこそ! 」 [アウトライナー]

デイブ・ワイナーによるFargo発表のときのブログエントリ。
原文はIntroducing Fargo!


Good morning!

昨年末、新会社Small Pictureの設立とともに、私たちは完全にウェブブラウザ上で動作する最強の文書編集環境の作成に着手した。

HTML5はそのネットワーク対応機能故に、実際にデスクトップよりもリッチな環境だと私たちは考えている。JavaScriptによって、これまでデスクトップで行なってきた全ての作業が行える。しかもウェブページを訪れるだけでインストールできるのだ。

それだけではない。極めて柔軟でオープンなネットワークストレージ環境であるDropboxにフックすることにした。ユーザーはデータをエクスポートする必要はない。囲い込みはなしだ。データは全てあなたのデスクトップのフォルダに中に入っている(そしてタブレットの、スマートフォンの、デスクトップの、サーバーの、どこにでも)。

ようやく今日、全体像を公開する準備ができた。Safari, Chrome, Internet Explorer 10, FirefoxなどのHTML5コンパチブルなブラウザ上で動作する。

新しい製品の名前は「Fargo」という。
http://fargo.io/

そして、ここまだ読んでいてくれたあなたに、ありがとう。 :-)

何点か、箇条書きにしておこう。

1. Fargoはリッチな、ネットワーク対応型アウトライナーだ。

2. Fargoはメモ帳、To-Doリスト、プロジェクト管理、仕事の共有、プレゼンテーション、ブレーンストーミング、デザイン、プログラミング、仕様作成などに使うことができる。投資家は契約を検討することに、法律家は判例に、教師は講義に、プロジェクトリーダーはチームメンバーの仕事の検討に使える。

3. Fargoは見かけと違ってシンプルだ。ドキュメント内で複数のドキュメントを編集し、必要なだけ入れ子で整理できる。組み替えはジェスチャーひとつだ。展開して詳細に降りていくことも、ズームアウトして全体像を見渡すこともできる。

4. Dropboxは素晴らしく柔軟だ。Fargoの奥深さ、パワーと組み合わせることで、極めて強力な環境をどこにでも持っていくことができる。

5. アウトラインは友人や同僚とシェアすることも、一般に公開することもできる。

サイトにはもっともっと情報があるが、いちばん肝心な点——どうかこの実際に使って試してみてほしい。あなたの手元のブラウザで使えるのだから。
http://fargo.io/

これは始まりに過ぎない。私たちはFargoをあらゆるもの接続しようと計画している。そしてOPMLというオープンなドキュメントフォーマットを利用しているので、他の開発者がFargoユーザーの思考の流れにフックすることもできる。可能性は無限だ。

ここまで読んでくれた人には、興味をもってくれたことに対して感謝したい。そして、質問や機能のリクエストなどがあったら教えてほしい。

デイブ・ワイナー
Small Picture, Inc. 協同設立者

Small Pictureのオンラインアウトライナー「Fargo」はDropboxでファイルを共有できる [アウトライナー]

時間がなくてなかなかきちんと紹介できなかったけど、先週デイブ・ワイナーのSmall Picture社から新しいオンライン・アウトライナー「Fargo」が発表された(ちょうど発表のタイミングで例のボストンのテロが発生して気の毒だった)。

この間紹介した「Little Outliner」と同じく「Fargo」はウェブブラウザ上で使える本格的なアウトライナーだ。最新のメジャーなウェブブラウザ(Chrome、Safari、Firefox、IE10)に対応している(何気なく書き出したブラウザの順番に時代を感じるね・・)。

アウトライナーとしてのコアは「Little Outliner」と同じ。ただしLittle Outlinerが、その名の通りアウトライナーとして基本機能に絞られていたのに対して、Fargoはより機能が充実している。

いちばんの違いはDropboxを利用して、デバイス間のファイル共有が可能になったこと。

最初に使うとき、Dropboxアカウントの入力を求められる。アカウントがなければ作成する。するとDropboxフォルダの中にアプリ>>Fargoというフォルダが作成され、Fargo上で保存したアウトラインはその中にOPMLファイルとして保存される。これで、Dropboxのアカウントさえあれば特に意識しなくても複数デバイス間でアウトラインを共有することができる。

というところまで説明した上で、以下がFargoのサイトだ。
http://fargo.io/

ちなみにアウトラインの内容以外の設定情報は「prefs.json」「tabs.json」という別ファイルに保存される。

試しにDropboxのアカウントフォルダに保存されたOPMLファイルをOmniOutlinerで開いてみるとちゃんとアウトラインとして編集できる。編集結果は普通にFargoに反映されるようだ(ただし、まだきちんと試してみたわけではないので、OmniOutlinerとFargoを交互に行き来するような使い方は、今のところやめた方がいいと思う)。

あと、画面左上に表示される「+」ボタンを押すと面白いことが起こるので試してみてください。

詳細はまた紹介したいけど、個人的には史上初めて自宅と職場で共通の、「真のアウトライナー」を使えるようになったという記念すべき出来事。

デイブ・ワイナー57才、素晴らしいぜ。

レオ・バボータ「生活を編集する Part1:義務」 [レオ・バボータ関連]

レオ・バボータ「生活を編集する Part1:義務」を公開。初期Zen Habbitsより「Edit Your Life, Part 1: Commitments」の日本語訳です。
私は以前新聞記者をしていたのだが、そこで学んだことのひとつは、編集は非情であれということだ(なぜブログでもそうしないのかという皮肉なコメントは勘弁してほしい)。不要なものは全てカットする。より良い記事が後に残る。生活も同じように編集することを強くお勧めしたい。

今回の編集対象:あなたが生活の中で負っている全ての義務
あなたの義務を全て書き出す。典型的なものをいくつかあげてみよう。

仕事 私たちは仕事の中で多くの義務を負っている。その全てを書きだそう。
副業 フリーランスの人もいるだろうし、追加収入を得るための一時的な仕事もあるかもしれない。そこでも義務が発生する。
家族 私たちは夫、妻、父親、母親、息子、娘といった役割を果たしている。こうした役割には多くの義務がついて回る。
子どもたち 私の子どもたちはサッカー、コーラス、学生クイズ大会、全米ジュニア優等生協会、バスケットボール、スペリング大会、その他多くの活動に参加している。それぞれに関わる義務を私も共有している。
市民活動 各種のボランティア活動、非営利組織の理事などをしているかもしれない。
宗教 私たちの多くは教会の活動に深く関わっているか、教会に属している。週に一度の奉仕を義務としているかもしれない。
趣味 あなたはランナーかサイクリストかもしれない。模型を作ったり、アングラ漫画サークルのメンバーかもしれない。こうした活動は(驚くべきことに)義務を伴う。
家庭 家族の日常的な活動以外にも、家でやらなければならないことはある。
オンライン活動 あなたはフォーラムやメーリングリストやグーグルグループでアクティブに活動しているかもしれない。こうしたオンラインコミュニティの活動にも、義務が伴う。

他にもあるかもしれない。とにかく全てを書きだそう。

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攻撃性や暴力性を無自覚に垂れ流す人間 [Diary]

人を威圧したり威嚇したり恫喝したりする人が嫌いだ。

威圧したり威嚇したり恫喝する人が好きだという人はそんなにいないだろうけど、そのわりには威圧したり威嚇したり恫喝する人は世の中に多い。多くの場合本人は無自覚なのだけど。

だからといって、ぼくが優しくて穏やかな人間だということではない。どっちかという逆だと思う。

気が短くて怒りっぽいし、今まで職場や集団を離れた原因の多くは喧嘩だったりもする。自分の中の強い攻撃性に気づいてびっくりすることもある。

昔は自分のそういうところがたまらなく嫌だったけど、結局オトナになるということは「自分以外のものにはなれない」という自覚だから、あるときに自分には強い攻撃性があるのだということを認めることにした。

それを認めないと、前に進めない。まともな人間として生きていけない。

だからこそ、攻撃性や暴力性を無自覚に垂れ流す人間が嫌いだ。

自分より年齢を重ねた魅力的な人 [Diary]

最近「歳をとること」についてよく考えている。いろんなものごとを考えるときに「歳をとること」を前提に考えるようになったというか。

全くネガティブな意味ではなく、クリアということを強く意識するようになったのもたぶんそのせいだ。

そして感じるのは、自分より年齢を重ねた魅力的な人を探すことが難しくなったということ。

たとえば職場で、自分より年齢を重ねた人について「あんなふうになりたい」と思うことは、残念ながらあまりない。メディアの中の(いわゆる有名人)にもあんまりいない。皆無ではないけど。

もちろん自分自身が年齢を重ねてきて、これから先は自分が若い人にとってのそういう存在にならなきゃならない、ということはある。「リーダーシップを発揮しろ」とか言われるとクソだと思うけど、そういうことなら納得できる。

でも不思議なのは、自分より年齢が下の人には、けっこう魅力的な人が存在するように思えること。人間として魅力的で、考えがしっかりしていて、行動もしっかりしていて、何より生き方とか考え方について新しい発見をさせてくれる人。

しかも、そのうちの多くのが女性だったりする。

それは単にまだ若くて世間知らずで怖いもの知らずだからそう見える、ということではない(そういう人もいるけど、その部分と魅力はあんまり関係ないと思う)。また、単に自分が女好きだということでもない(好きだけど)。自分の精神年齢が30代前半くらいで止まってるということでもない(止まってるかもしれないけど)。

不思議だけど、たぶんそこには何か重要なことが隠されている。まだうまく言葉にはできないんだけど、これから先もっと歳をとっていくときに、忘れちゃいけない何か。

そして、年齢を重ねた魅力的な人になりたい、と思うな。

生活を編集する [レオ・バボータ関連]

文章が最小限の言葉で最大限機能するように加筆・削除を繰り返す行為のことを「編集」という。自分や周囲をクリアに、クリアにしようとすることはこの「編集」に似ている。

この発想どこかで見たことがあるなと思ったら、レオ・バボータが初期Zen Habitsでやっていた「Edit Your Life」シリーズだった。

初期Zen Habitsはいわゆるライフハックブログで、GTDをはじめとして今よりもずっと手法論に寄っていた。この頃のZen Habitsのエッセンスは、書籍「減らす技術 The Power of LESS」に集約されている。

ぼくが主に訳してきたのは、Zen Habitsがライフハックから脱却しはじめて以降のものだ(ちなみに今のZen Habitsをぼくは「現代のプラグマティック幸福論」だと思っている)。でも、クリアにするとは「編集」なんだと気づいてから改めてEdit Your Lifeシリーズを読み直してみると、けっこう気づかされることが多かった。

そこで、これからしばらくの間、Edit Your Lifeシリーズを「生活を編集する」としてまとめて訳すことにした。

生活を編集する
Part1 義務を編集する
Part2 部屋を編集する
Part3 収納を編集する
Part4 ワークスペースを編集する
Part5 ワードローブを編集する
Part6 メディアを編集する

多くの要素は「フォーカス」にも入ってるけど、改めてじっくり。