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心配症、あるいは意図せず「結果的に」人を救うこと [Diary]

もう20年近く前のこと。

アムステルダム行きの便で隣りに座った女の子が、到着までの間に心配していたこと(抜粋・途中からメモしていた)。



座席間違ってないでしょうか。
荷物落ちてこないでしょうか。
窓際って寒いですか。
飛んでる間、荷物落ちませんか。
飛んでる間、荷物偏りませんか。
飛行機落ちませんか。
空気漏れませんか。
救命胴衣の使い方見逃しました。
>>>
魚の方がおいしかったでしょうか。
もし通路側のあなたが寝てたら私はトイレに行けないです!
無理にトイレに行ったら起こしちゃいますよね。
そのときは起こしていいですか。
なのに私コーヒーを二杯も!
>>>
…トイレ行きます起こしちゃってごめんなさい!
>>>
トイレ長すぎませんでしたか。
「ミスタービーン」やばいです私笑い上戸で
うははははははははははは(ひー)←
私どうしてホームステイなんかすることになったんでしょう。
私の選択間違ってますか。
彼はそれを快く思ってないかもしれない。
彼、浮気しないでしょうか。
私がオランダで浮気したらどうしよう…!
その可能性も皆無じゃないですよね。
今からホームステイやめたら迷惑ですか。
>>>
今私、いびきかいてませんでしたか。
変な顔してませんでしたか。
>>>
ホストファミリーは迎えに来てるでしょうか。
スキポール空港、すごく広いって言うし…
オランダって本当に英語通じますか。
オランダ語しか通じなかったらどうしよう。
ていうか私、英語できない!
ホストファミリーに迷惑じゃないですか。
オランダ料理まずいですか。
オランダの人親切ですか。
>>>
空港でちゃんと荷物出てきますか。
荷物出なかったらどうしますか。
車輪ちゃんと出てますか。



不思議なのは、彼女の心配症をBGMみたいに聴き続けたせいで13時間のフライト中退屈しなかっただけでなく、1ヶ月続いていた原因不明の微熱やら、つい数週間前に仕事を辞めたことやら、祖母が亡くなったことやら、そんな状況で行きたくもないオランダまで出かけて父に会って仕事を辞めた理由を説明しなきゃならないことやら、そんな諸々に由来する身体のだるさも最悪な気分も、スキポール空港に着陸する頃にはほとんどなくなっていたこと。



人は、こんなふうに意図せず「結果的に」人を救ってしまうことがある。

願わくば、名前も聞かず(でも、彼女の荷物がちゃんと出てきて、ホストファミリーにもちゃんと会えたことも確認して)スキポール空港のロビーで手を振って別れた彼女のことも、自分が同じように「結果的に」救えてたら。
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